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つぐない Atonement

Posted: 10月 10th, 2008 | Filed under: 文芸

自分の嘘と自惚れが自分自身を苦しめる

■ストーリー
1930年代の、戦争の兆しが見えていたイギリス。
政府高官の長女であるセシーリアは、使用人の息子ロビーへの秘かな愛情に気づく。
ただ一度の逢引を、妹のブライオニーに見られてしまう。
その後に目撃した強姦事件の犯人として、ブライオニーはロビーの名を告げ、警察に証言する。
ロビーは刑務所に移され、そして戦場へ。

セシーリアはロビーを待つ。
ブライオニーは自分のついた嘘で過酷な運命に晒させてしまった罪を背負いながら生きることを誓う。



■ひとつの嘘が他人を貶める
自分のついた、たった一言が、他人の運命をも変えてしまうことの重大さを痛感させられるこの作品。

嫉妬と未熟な思考が、どれほど人の人生を変えてしまうことか。
嘘をついたブライオニーは、後で自分の犯した罪の重大さに気づいて、その罪を一生背負うことを誓う。

しかし、第三者から見れば、それは都合よく脳内変換して罪を贖ったつもりになっているだけの欺瞞にも見える。

それでも、その姿勢はまだよいほうだろう。

現代は自己中心的に生き、隣人や親類、親や子供でさえも手にかけてしまう殺伐とした世の中になってしまった。
子供特有の未熟な思考のまま大人になってしまったような、思慮に欠け、短絡的な思考の人間ばかりだ。

ラストに近付くにつれて、驚愕な事実が明らかになる。
ブライオニーがただ嘘をついて他人の運命を変えてしまったということではないことを。

自惚れ、勘違い、思い上がり。
自分の浅い了見だけで判断して行動すると、とんでもないことになる。

自分のことばかり考えて行動する人に見てほしい作品。

でも、自己中心的な人間には、この作品のもつ意味や「贖罪」という言葉なんてわからないかも。


■見せ場
この作品は、イギリスの小説家・イアン・マキューアンの世界的ベストセラー小説「贖罪」の完全映画化作品。

文芸的な作品ながらも、映像的な見せ場もある。
フランスの戦場に送り込まれたロビーが、海岸の街で帰還する船を待つ場面。
画面がパンしないシーンが10分近く続くところは圧巻。

海岸で帰還船を待つ大勢の兵士、喧嘩する兵士、酒を飲み、歌を歌う兵士たち、破壊された街並みの様子が、ロビーが海岸を歩くシーンとともに移動しながら延々と、画面が切り替わらずに描かれる。VFXによる演出とはいえ、この映像は唸るものがある。


■パーフェクトな俳優陣
ヒロイン・セシーリア役は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ。
ロビー役は「ラストキング・オブ・スコットランド」のジェームズ・マカヴォイ。
ブライオニー役には少女時代をシアーシャ・ローナン、娘時代をロモーラ・ガライ、老女時代をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じている。
ブライオニーは3世代に渡って描き出されるのだが、3世代とも共通した面影を見ることができる。よくこれだけ似ている人を見つけ出したものだと思う。


Tips:
・第80回アカデミー賞ノミネート

・出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ
・監督:ジョー・ライト
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