エディット・ピアフ 愛の賛歌 La Vie En Rose

Posted: 10月 10th, 2008 | Filed under: 実在の人物を描いた作品, 文芸

愛と歌が、わたしの人生

■ストーリー
1915年12月19日、フランスのパリで生まれたピアフは貧困の中、娼館に預けられたり、大道芸人の父とドサ回りをしながら生きていた。
街角で歌うことで金が貰えることを知ったピアフ、そんな天性の歌声に目をつけたパリの名門クラブのオーナー、ルイ・ルブレはピアフが20歳のときに出会い、自らのクラブの舞台に立たせた。
その天性の歌声は人々を魅了し、クラブの舞台から音楽ホールでの公演、世界公演へと羽ばたいていく。

自分の感情に正直に生きたピアフ。
殺人事件の容疑者、ドラッグ中毒、アルコール依存など数々の困難に直面しながらも、歌い続けることはやめなかった。

愛を求め、愛に傷つき、奔放であり、周囲にエネルギーを与えながらもときには容赦なく言葉で人を傷つけ、人々に支えられ愛されてきたピアフは、1963年10月11日、47年の生涯を閉じた。


■シャンソンとは人生賛歌
本作品は、実在の人物であるフランスの歌姫エディット・ピアフ、本名「エディット・ジョヴァンナ・ガション」の生涯を綴る作品。

エディット・ピアフは、”あなたの燃える手で、あたしを抱きしめて”という歌詞で知られる、越路吹雪「愛の賛歌」の原曲の生みの親でもある。

エディット・ピアフの曲は日本人アーティストに数多くカバーされ、越路吹雪のほか、美空ひばり、加藤登紀子、美輪明宏、中島みゆき、桑田佳祐、椎名林檎、SOPHAなど世代やジャンルを超えて歌い継がれている。


酸いも甘いも知り尽くし、さまざまな経験をしてきたからピアフ。内面から滲み出る歌声は、だからこそ人々を魅了してきたのだとわかる。

シャンソンとは人生賛歌である。
喜び、悲しみ、怒り、苦しみ、人生で起こることのすべてのことに光を当て、肯定するのがシャンソンだ。
音楽ジャンルとしての「シャンソン」は自分としては全く興味なかったのだけど、「シャンソン」とは人生そのものなのだということがよく理解できる。

エディット・ピアフのCDを聴いてみたくなった。


■歌うことが人生
ピアフは「歌えなくなったら生きてないわ」と言う。
それほどまでに歌に執着したのはなぜか。
歌が収入を得る手段だということ以上に、歌を歌うことによって亡き恋人を想い、幸せの中に戻ることができたからではないだろうか。

「愛の賛歌」の中にこんな歌詞がある。(岩谷時子が訳した越路吹雪の「愛の賛歌」とは訳詞は異なる)

   「あなたが死んでも、あなたが愛してくれさえすれば平気」

ピアフは歌わずにはいられなかったのである。
歌うことでしか、亡き恋人に感情を表現することができなかったということだ。


映画は臨終のときにピアフが思い浮かべる回想シーンで終わる。
そこで流れる「水に流して」という曲を歌うピアフに、観客は喝采を贈らずにはいられないだろう。

   
     「いいえ、わたしは後悔なんかしていない
      よいことも、悪いことも、何もかもがどうでもいいこと
      わたしは代償を払い精算したの 忘れたのよ
      過去なんて気にしないわ
      何もかにもすべて忘れ ゼロから出直すの」



ピアフが晩年、記者からインタビューを受けるシーンがある。

記者「女性に対してなにかメッセージはありますか。」
ピアフ「愛しなさい」
記者「若い女性には?」
ピアフ「愛しなさい」
記者「子供には?」
ピアフ「愛しなさい」


“精一杯愛して、人生を謳歌しなさい” ということ。
傷ついても、傷つけられてボロボロになろうとも、愛することでさらに優しく、強くなれる。

人間はいつか死ぬ。
どうせ終わってしまう人生なら、精一杯輝いていこうと。



  +++++

ピアフを演じきった、マリオン・コティヤールは、ピアフそのものである。
素顔のピアフから舞台上のピアフ、晩年のピアフまで、見事に演じきった。
その評価は各映画祭で受賞してきたことからもわかる。

Tips:
・フィラデルフィア映画祭:観客賞-最優秀作品賞
・シアトル国際映画祭:監督賞/観客賞-最優秀女優賞/観客賞-優秀作品賞/観客賞-優秀監督賞
・カブール映画祭:最優秀女優賞
・ハリウッド映画際:ブレイクスルー女優賞

出演:マリオン・コティヤール、ジェラール・ドパルデュー、パスカル・グレゴリー
監督:オリヴィエ・ダアン
エディット・ピアフ 愛の賛歌


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