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ブラックブック BLACK BOOK

Posted: 10月 10th, 2008 | Filed under: サスペンス, 戦争

復讐するは我にあり

ポール・バーホーベン監督による、第二次世界大戦下での史実にインスパイアされて製作された戦争映画。

■ストーリー:
1944年のナチス・ドイツ占領下のオランダで、若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、レジスタンス(解放戦線)の助けによってオランダ南部へ逃れようとするが、何者かの裏切りによって両親や弟をナチスに殺されてしまう。
復讐のために名を変え、レジスタンスのスパイとなり、ナチスの謀報部へ色仕掛けで潜入するが、憎むべき謀報部のトップであるドイツ将校ムンツェを次第に愛してしまう。果たして彼女を売った裏切り者の黒幕は誰なのか? 謎解きは始まる_______。



■オランダ生まれのポール・バーホーベンが故郷に戻って撮った作品

ポール・バーホーベンといえば、シャロン・ストーン「氷の微笑」や「ロボコップ」「ショーガール」「インビジブル」「スターシップ・トゥルーパーズ」といった、ひとクセも ふたクセもある作品で脚光を浴びている監督。

ポール・バーホーベンはオランダ生まれ。
「4番目の男」以来23年ぶりに祖国オランダでメガホンをとり、20年もの間構想を練り、脚本を書き上げたのが本作品である。

本作品は、1994年のスピルバーグ監督「シンドラーのリスト」、2003年のポランスキー監督の「戦場のピアニスト」と並ぶ、戦争の悲劇を描いた新時代の映画作品との評価が高い作品だ。

ポール・バーホーベン監督作品らしく、無駄に裸になる場面も多い^^



■ポール・バーホーベンが本作品に込めたメッセージ

戦争が終結し、かつてナチス側についていたオランダ人を「売国奴」として迫害するシーンがある。
戦勝した側の民間人が、同胞の髪を切り、暴行し、恥を晒させる。
人間の醜さ、愚かさを見せ付けられる場面だ。

しかしながら、この場面でさえも世間を欺く”裏切り”と知るとき、観た者は何を感じるだろうか。


ナチス将校が発する。
  「いまは誰も信用ができない。自分の保身のためなら誰でも平気で嘘をつく。俺だってそうする。」


しかし、それは現代においても同様だ。

誰だって自分が一番大切である。
人に平気で嘘をつき、親兄弟や親類でさえ殺し、人を陥れて裏切る。

最も信じるべき相手が、実は裏切りの張本人・黒幕であったことなど日常茶飯事だ。

だとすれば、一見平和のように見える現在においても戦時下のようなものだ。
誰も信用できない時代において、いったい何を信じればよいというのか。



ヒロインであるラヘルが嗚咽しながら叫ぶ。

  「苦しみに終わりはないの!?」
 

苦しみに終わりはないのだ、生きている限り。



本作品はオランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作だが、太平洋戦争を描いた作品を日本・韓国・中国・北朝鮮との合作で製作するとしたら、今後50年くらい先になるんじゃないだろうか。

その意味では、かつての敵国同士であったヨーロッパ諸国が合作で製作した本作品は賞賛に値する。


Tips:
・第79回米アカデミー賞 外国語映画賞オランダ代表作品
・第63回ベネチア国際映画祭コンベティション部門出品
 ヤングシネマアワード:ベストインターナショナル・フィルム賞受賞
・2006年オランダ映画祭 作品賞/監督賞 主演女優賞受賞


2006年/オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作映画 2時間24分
出演:カリス・ファン・ハウテン、セバスチャン・コッホ、トム・ホフマン、ハリナ・ライン
監督:ポール・バーホーベン
ブラックブック



ブラックブック
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おすすめ度の平均: 4.5
5 「1956年10月イスラエル」
4 戦争中が舞台だが、感傷的にならないドライなスパイ映画として楽しめる
5 二転三転するストーリー展開


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