王妃の紋章 CURSE OF THE GOLDEN FLOWER

Posted: 10月 10th, 2008 | Filed under: スペクタクル, 戦争

中国から西側諸国への、恐るべきメッセージ映画



■ストーリー
紀元928年、中国「唐王朝」滅亡後の時代。
まばゆいばかりの栄華の頂点に君臨する、黄金の一族。
王は病弱な王妃のために、特別な薬を調合し、毎日決められた時間に決められた分量飲み続ける。

しかし、一向に病気は快方に向かわない。
そして王妃はそれが毒薬であることを知ってしまう。

王妃による復讐劇がはじまった_



■これは恐ろしい中国映画だ
絢爛豪華な王家一族にめぐる思惑、疑惑、謀略。
誰が裏切り、誰が勝ち残るのか、最後までわからない。

薬に毒を盛るという話が、現代中国での残留農薬野菜や毒入り餃子とリンクしてなんだかなぁと思ったり、
よくある愛憎劇なのかと思いきや、作品中にはとんでもないメッセージが隠れていた。

この作品には、古代から現代へと続く中国の思惑がすべて表れている。

それは、
中国の思想に反する行為は、
内からであろうと、外からであろうと、
すべて抹殺して、中国が勝ち残る。

ということだ。

これは恐ろしいくらいの国家掲揚映画だ。
そのプロパガンダのスケールは北京五輪の比ではない。

なにしろ、謀反を起こす者は虐殺に次ぐ虐殺、身内も敵も、同じ中国人であっても、無残に殺されてしまう。

いわゆる南京事件などの戦時中の中国への進出においては、
日本はいつも中国から謝罪と賠償を要求されているが、
実は古代から近代までの中国の内乱の歴史は残虐を極めたものだった。

中国大虐殺史ーなぜ中国人は人殺しが好きなのか
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豪華なセットのなかで繰り広げられる愛憎劇だと思って観ていたら後半、とんでもなく知略に富んだ兵法で敵を攻めていく。

ときには忍術、ときには膨大な人数の兵と要塞を使い、敵をせん滅させる。
敵をせん滅させたあと、何事もなかったかのように速やかに後かたずけをし、本来の行事を全うする。

これを見ていて恐ろしくなった。
これは、西側諸国や日本へのメッセージなのだと。

「中国に刃向かうのなら、おまえらも、こうしてやる」と。


■舞台は絢爛豪華
金の円柱600本、のべ1kmのシルクの絨毯、豪華な衣装3,000着、宮廷を埋め尽くす300万本の菊の花。
製作費50億円の本作品は、アメリカアカデミー賞で衣装デザイン賞にノミネートされた。

ビジュアルはすごい。豪華。
宮廷内部、広大な庭のスケールのVFXがすごい。

さらに戦闘シーンも目を見張る。
中国バブルの粋を集めたような作品だが、ストーリーに隠されたメッセージを知ると、とても怖くなる。

監督は「HERO」「LOVERS」のチャン・イーモウ。


・出演:チョウ・ユンファ、コン・リー、ジェイ・チョウ
・監督:チャン・イーモウ
王妃の紋章


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