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西の魔女が死んだ

Posted: 10月 10th, 2008 | Filed under: ファミリー, 文芸

I KNOW.


■ストーリー
中学校に入学して、わずか数か月で登校拒否状態になった”まい”は森のなかに住む、”西の魔女”と呼ばれる おばあちゃんとの暮らしのなかで、日常に生きる楽しさ、喜びを発見していく。
おばあちゃんは英国人。
「魔女修行」をすることになった”まい”は、規則正しく生活し、自分で決めていくという修行生活を送る。

ときおり、怒りや恐れを感じながらも、次第に生きる力をつけてゆく…



■閉塞した世の中に向けた作品
強くて、やさしい映画。

この映画を観終わったあとに感じたことは、このことです。

現代人は心が不安定、絶えず周囲を気にして、必死にバランスをとりながら生きています。
でも、そうしたバランスをとることがうまくない、面倒だと思う人もいる。
その結果、登校拒否や鬱、ニート問題がおきています。

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書 710)」という書籍のなかでは、友だちと慣れ合うために絶えず携帯電話で日常を報告しあい、つながりを確認し合わなければ不安でたまらないという、いまの若者の心理が描かれています。

絆を強めるために、誰か一人を「敵」にしていじめの対象にしてしまうのも、昔から変わらない現象です。

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書 710)
土井 隆義
筑摩書房
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この作品に登場する中学生の”まい”も、その犠牲者であり、そんなことをするのが面倒だと思って登校拒否してしまった一人。

そんな生きにくい世の中で、どう生きていけばよいのかを「魔女修行」によって見出す過程を描き出すのが本作品です。

「魔女修行」とは、
・早寝早起きをすること。
・すべて自分の判断で、自分で決めること。
・怒りや憎悪の感情をマイナスのエネルギーに使わないこと。

それは、自分がよりよく生きてゆくための、どんな人でも役にたつ修行の内容。

簡単なようで、これは意外とむずかしい。

それは、人間はが感情を持つ生身の生き物だから。



“まい”のように、自分自身以外からは扱いぬくい存在であってもいい、”個”を大切にする異端であっても構わない。
似たもの同志だけで表面的な部分の付き合いをするために群れるよりはまだマシ。

異端さの中から、自分の適性を見出していけばいい。


■ユニークなキャスティング
英国人のおばあちゃん役に、アカデミー賞女優シャーリー・マクレーンの娘・サチ・パーカー。
幼少時代に日本に住んでいたとはいえ、完璧な日本語を披露。
少女”まい”には、13歳の新人・高橋真悠。
怪しい隣人にキム兄こと、木村祐一。陽気な郵便配達人に高橋克美など、ユニークでバラエティに富んだ構成。


■まるで英国にいるような風景
舞台は日本なのに、まるで英国にいるような緑あふれる光景が拡がっています。
イングリッシュ・ガーデンのような整然とした庭園ではありませんが、緑に囲まれた光景は、幸福感に包まれています。


ラストで涙と心地よさ、生きていくこととは、死ぬとはどういうことかを感じてください。


[心に残った言葉]
・「体と魂が合わさって自分になる」
・「体の状態が魂に影響を与える」
・「死ぬということは、魂が体から自由になること」
・「体がないと、楽しみも悲しみも、いろいろなことが経験できない」
・「生きるということは魂の修行をするということ」
・「怒りや憎悪は自分を自滅させる」


・出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、高橋克美、木村祐一、大森南朋
・監督:長崎俊一
・主題歌:手嶌葵「虹」
・原作:梨木香歩「西の魔女が死んだ」
西の魔女が死んだ

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