1408号室

Posted: 12月 11th, 2008 | Filed under: ホラー

邪悪な部屋を追体験するかどうかは、
当ホテルでは お客様の個人自由の精神を尊重します。
“チェック・アウト”も自由です。



■ストーリー
LA在住の幽霊ホテルや幽霊マンション、墓場などの心霊スポットを取材し、本を執筆することを生業とするオカルト作家、マイク・エンズリン。
差出人不明の葉書から、NYにあるドルフィンホテルの1408号室がいわくつきの部屋であることを知る。

ホテルに予約を試みるが、断られてしまう。
法的根拠を振りかざし、宿泊予約を取り付けるが、チェックイン時にホテル支配人に何度も宿泊をやめるように促される。

 「あの部屋で1時間もった人はいない」
 「過去にあの部屋で56人が自殺や自然死で亡くなっている」

何度もの警告にも屈せず、マイクは1408号室のドアを開け、入室する。
そこは超常現象が次から次に起こる、邪悪な部屋だった・・・


■スティーブン・キングの短編小説の忠実な映画化作品
アメリカでは原作を忠実に映画化したということで評価が高く、興行収入もなかなかの成績だったようだ。
精神に訴えかける日本のホラー映画とは異なり、西欧ホラーはただ脅かすものが多いが、この作品もその類のものといえる。

バケモノ屋敷や見世物小屋的な内容で、次から次に超常現象を見せて観客をスリル満点の境地に放り込む。

観賞途中、「なんだ、こういうオチか これでラストなんだな」と半ば安心していたところ、再び恐怖のストーリーは廻り出す。
現実と幻覚の間を彷徨わせるストーリーテリングであっと言わせる手法はスティーブン・キング作品ならでは。


■ただ怖がらせる、ただ驚かせるだけではない、テーマを持った作品
ただのホラー映画と思ったら大間違い。
そこはスティーブン・キング原作作品である。

この映画にはテーマがある。

それは「邪悪なものは人の弱みにつけ込む」ということ。
主人公であるオカルト作家マイクが見た超常現象の数々は、人の弱みにつけ込むものだ。
娘の死、別居している妻のこと…
それは、現代ではカルト宗教や悪徳商法が人の心の弱さにつけ込むことと重なる。
しかし、この作品では邪悪なものは自分の分身として描かれる。
部屋自体が自分の分身と化し、邪悪なものとして自分自身に襲ってくるのだ。

もうひとつは、「恐怖と絶望という極限の中で見つけ出す真理」だ。
マイクがオカルト作家となった理由はそこで明かされはしないこそ、観客に理解させる。
「この世に神は存在しない。幽霊なども存在しない。幽霊ホテルは古ぼけたホテルが客寄せのための手段だ」と決め込み、数々の心霊スポットを暴くオカルト作家になったのは、あらゆる手を尽くした末に病死させてしまった娘がきっかけだった。
恐怖の1時間が過ぎたあと、「怖いものはない。これ以上、犠牲者は出させない。自分の力でいつでも終わらせることはできる。”チェック・アウト”することはできる」として、マイクはある行動にでる。
なにをやるにしても自分次第でどうにでもなるのだ。

「歯止めのきかない精神の崩壊」の末に自分が負けて邪悪なものに屈するのか、自分のなかの邪悪なものの弱点を見つけ出してそれを潰すのか。
それは自分次第だ。

■これを見たからといってホテル宿泊がイヤとはならないが・・・
日本でもホテル・旅館にまつわる心霊現象のいくらでも話はあるが、部屋に備えつけのラジオから、カーペンターズ「愛のプレリュード」が突然流れてきてきたら、そりゃ怖いかもね。

・出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック
・監督:ミカエル・ハフストローム
1408号室

1408号室 [DVD]
1408号室 [DVD]
posted with amazlet at 09.04.09
東宝 (2009-03-20)
売り上げランキング: 498
 


Comments are closed.