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SPACE BATTLESHIP ヤマト

Posted: 12月 10th, 2010 | Filed under: SF

慌てず急いで正確にな

yamato

■ストーリー

2194年、正体不明の敵・ガミラスが地球への侵攻を開始した。
ガミラスは遊星爆弾を地球を送り込んで放射能汚染させ、人類の大半が死滅。残った人類は地下に生き伸びた。
それから5年後、地球に未知のカプセルが飛来して落下してきた。そこには、波動エンジンの設計図と14万8千光年先にあるマゼラン星雲のイスカンダル星の位置を示す座標が記されていた。
地球防衛軍は最後の宇宙戦艦「ヤマト」をイスカンダル星に向かわせるが・・・

■良くも悪くも日本映画

アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の実写化ということで、いったいどんな映像になるのかと、期待と不安が入り混じって観賞したが、「良くも悪くも日本映画」だという感想を抱く作品だった。

VFXのクオリティは上がっている。ようやく日本のVFXも観賞できるレベルにまで来たなというところだが、ストーリーがなんとも日本映画的。
激しい戦闘場面の途中で、長いロングショットのお涙頂戴場面があるのはいただけない。
脚本もプアで、突っ込みどころ多過ぎ。

クライマックスでのキムタクの「考えろ、考えろ、考えるんだ!」と、頭を船長席ブースの壁にぶつけながらの自問自答の絶叫。
もうアホかと。

地球に危機が迫って一刻を争う場面に時間をたっぷり割いて、お涙頂戴のお別れシーンなんてやってる場合じゃないだろw

キムタクはTVドラマでの演技のクセが抜けてない。
第一艦橋で操縦桿を握るキムタクの右側にいるメガネ男のオーバーアクションがウザイ。
まるで学芸会の演技のレベル。

まるで安っぽいドラマを見せられているようだ。
これはTBS製作だから仕方がないと諦めるしかないのか。

搭乗員にやたらと女性が多い。しかも演技ヘタ。レーダースコープを監視する女優の演技のヘタさったらもう・・・

VFXのクオリティは上がっているのだが、随所にハリウッドSF作品の影響を受けた箇所が随所に見受けられる。

ざっと挙げると、
1. 冒頭の戦闘シーン
 スターウォーズ エピソード3、エピソード6、スタートレック新シリーズ、スターシップ・トゥルーパーズ

2. ヤマトからブラックタイガー、コスモゼロが出撃するシーン
 宇宙空母ギャラクティカ

3. イスカンダル星への突入シーン
 スタートレック新シリーズ

4. イスカンダル星の地下飛行シーンと地下空洞の突入シーン
 スターウォーズ エピソード6

5. イスカンダル星上陸後の戦闘シーン
 スターシップ・トゥルーパーズ

6. 地球到着目前での戦闘シーン
 アルマゲドン、インディペンデンス・デイ

エンディング・テーマ曲に至っては、アルマゲドンのエンディングでも歌ったスティーブン・タイラーが楽曲を担当している。

パクリとまでは言いたくはないが、リスペクトやオマージュとも違う。

もともと、監督の山崎貴は過去作品「リターナー」において、インディペンデンス・デイとターミネーターをパクっていたので、本作品もどこかパクった箇所があるだろうなぁと思って観ていたら、期待通りの真似っ子作品だったので、この場面はあの映画のパクリ、今度はこの映画のパクリだと思いながら終始、笑いを押し殺しながら観てしまった。

VFXのクオリティは上がったが、突っ込みどころ多すぎ。
ヤマト主砲の姿勢変動早すぎ! オモチャかよ! あんなに早く動くと砲台にいる戦闘員は振り落とされちゃうよ。

観客はアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を見ながら育った世代がやはり多かった(笑)
アニメとはまったく異なる作品だが、BGMやセリフにアニメと同じものが使われたのは、当時のアニメ世代に郷愁を与えるおまけである。

キャスティングはいいんじゃね?というレベル。
森雪がブラックタイガー戦闘員だったり、いつも一升瓶を抱えた酔いどれ医者の佐渡先生が高嶋礼子だったりと、意表を突くキャスティングだったが、ギャグと思えばそれも良し。

VFX映像に金を掛けすぎたせいか、セットがチープ。
第一艦橋の狭さと演劇舞台のような安っぽい作り、食事をとる場所が大衆食堂のような安っぽさ、どこかの民間フェリーのような艦内通路。
極めつけが、DELL製らしき黒いキーボード(笑)
22世紀の話なんだから、もっと未来的な入力デバイスを見せてくれよ・・・

この作品最大の見どころというか、最大のギャグは、キムタク扮する古代進と黒木メイサ扮する森雪が、ワープ航法中にヤッてしまうところだろう。
その成果物がラストで登場するところも見どころである。

脚本がダメなんだよ。脚本の全てが破綻している。
最初のワープ時にはシートベルトをして耐ショックに備えていて、ワープ中は搭乗員全員が気絶していたのに、次のワープ中には男女がヤッてしまうんなんて・・・

命を賭けて銀河系を離れてイスカンダル星との往復の旅に出掛けるのに、ヤマト艦内にはバーカウンターがあって、搭乗員がくつろぎながらビールを飲むだと・・・  アホか。

ヤマト下部の第三艦橋にとりついて自爆しようとするガミラス戦闘機からヤマトを守るために第三艦橋をミサイルで切り離して落下させるって・・・
あのう・・・宇宙は無重力なんですけど。。 なのに、第三艦橋を切り離した後の動きはどうみても自由落下。ちゃんと科学検証ぐらいしろよ。

SFとはScience Fictionだ。科学的な空想に基づくフィクションだ。
たとえ空想映画だとしても、作品を通して破綻のないハッタリが求められるが、この作品は矛盾だらけで呆れてしまう。

そもそも、ガミラスが固有物体をもたない意識体で、他の生物に乗り移ってどこででも生息できるというのなら、わざわざ遊星爆弾を使って地球を放射能汚染させる必要なんてない。

つまり、ストーリーそのものが成り立っていない。


唯一、CGで作られたデスラーの声が伊武雅刀だったのがせめてもの救いだ。

作品タイトルが「宇宙戦艦ヤマト」ではなく、なぜ「SPACE BATTLESHIP ヤマト」なのか、その意味は見ればわかる。

「宇宙戦艦ヤマト」とは似て非なる、監督がハリウッドVFXに憧れを抱いて作った、「宇宙戦艦ヤマト」のストーリーを拝借しただけの、なんちゃってSF映画だ。

・出演:木村拓也、黒木メイサ、柳葉敏郎、緒方直人、西田敏行、高島礼子、堤真一、山崎努
・監督:山崎貴

SPACE BATTLE SHIP ヤマト 公式サイト






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